ぶつも
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
仏母
実母
字義のとおり「仏の母」で、釈尊の実母である摩耶夫人(ぶにん)、あるいは養母のマハープラジャーパティー(摩訶波闍波提(まかはじゃはだい))を指す。
法の母
また、仏を生み出すもとである般若波羅蜜あるいは法をいう。特に般若波羅蜜を仏母として尊ぶことはインドの般若系の仏教ではきわめて盛んであった。
密教に至るとこれを神格化し、仏眼(ぶつげん)と称して崇拝するようになったが、この仏眼を仏母ないし仏眼仏母と称する。
文殊師利
心地観経(報恩品、観心品)に、三世一切の仏は文殊の教化を縁として成道したと説くことから、文殊師利をさすこともある。
- 他宗所依の経は、一分の仏母の義有りといへども、しかれども、ただ愛のみ有って厳の義を闕(か)く 〔開目抄〕
- 文殊はそもそも何人(なにびと)ぞ、三世の仏の母と在(いま)す、十方如来諸法の師、皆是れ文殊の力なり 〔梁塵秘抄(36)〕