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:舎利弗とともに懐疑論者サンジャヤ・ベーラッティプッタの弟子であったが、ともに仏弟子となった。目連が餓鬼道に落ちた母を救うために行った供養が『''[[うらぼんえ|盂蘭盆会]]'' 』の起源になったといわれる。 | :舎利弗とともに懐疑論者サンジャヤ・ベーラッティプッタの弟子であったが、ともに仏弟子となった。目連が餓鬼道に落ちた母を救うために行った供養が『''[[うらぼんえ|盂蘭盆会]]'' 』の起源になったといわれる。 | ||
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:釈迦の死後その教団を統率し、500 人の仲間とともに釈迦の教法を編集し(第一[[けつじゅう|結集]])、付法蔵 (教えの奥義を直伝すること) の第一祖となった。 | :釈迦の死後その教団を統率し、500 人の仲間とともに釈迦の教法を編集し(第一[[けつじゅう|結集]])、付法蔵 (教えの奥義を直伝すること) の第一祖となった。 | ||
(4)須菩提 (しゅぼだい) | (4)須菩提 (しゅぼだい) | ||
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(5)富楼那弥多羅尼子 (ふるなみたらにし) | (5)富楼那弥多羅尼子 (ふるなみたらにし) | ||
− | :サンスクリット語でプールナマイトラーヤニープトラ( | + | :サンスクリット語でプールナマイトラーヤニープトラ(Pūrṇamaitrāyanīputra、पूर्णमैत्रायनीपुत्र)。説法第一。「富楼那」とは別人か? |
(6)摩訶迦旃延 (まかかせんねん) | (6)摩訶迦旃延 (まかかせんねん) | ||
− | :パーリ語でマハーカッチャーナ( | + | :パーリ語でマハーカッチャーナ(Mahākaccāna、महाकच्चान)。論議第一。<br> |
:辺地では5人の師しかいなくても授戒する許可を仏から得た。 | :辺地では5人の師しかいなくても授戒する許可を仏から得た。 | ||
(7)阿那律 (あなりつ) | (7)阿那律 (あなりつ) | ||
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:釈迦の従兄弟で阿難とともに出家した。仏の前で居眠りして叱責をうけ、眠らぬ誓いをたて、視力を失ったがそのためかえって真理を見る眼をえた。 | :釈迦の従兄弟で阿難とともに出家した。仏の前で居眠りして叱責をうけ、眠らぬ誓いをたて、視力を失ったがそのためかえって真理を見る眼をえた。 | ||
(8)優波離 (うぱり) | (8)優波離 (うぱり) | ||
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:もと理髪師で、階級制度を否定する釈迦により、出家した順序にしたがって、貴族出身の比丘の兄弟子とされた。第一結集においては、彼の記憶に基づいて戒律が編纂された。 | :もと理髪師で、階級制度を否定する釈迦により、出家した順序にしたがって、貴族出身の比丘の兄弟子とされた。第一結集においては、彼の記憶に基づいて戒律が編纂された。 | ||
(9)羅睺羅 (らごら) | (9)羅睺羅 (らごら) | ||
− | :サンスクリット語でラーフラ( | + | :サンスクリット語でラーフラ(Rāhula、राहुल)。羅云とも書かれる。密行第一。<br> |
:釈迦の息子。釈迦の帰郷に際し出家して最初の[[しゃみ|沙弥]](少年僧) となる。 | :釈迦の息子。釈迦の帰郷に際し出家して最初の[[しゃみ|沙弥]](少年僧) となる。 | ||
(10)阿難 (あなん) | (10)阿難 (あなん) | ||
− | :サンスクリット語でアーナンダ( | + | :サンスクリット語でアーナンダ(Ānanda、आनन्द)。多聞第一。<br> |
:釈迦の従兄弟。出家して以来、釈迦が死ぬまで25年間、釈迦の世話をした。第一結集のとき、彼の記憶に基づいて経が編纂された。 | :釈迦の従兄弟。出家して以来、釈迦が死ぬまで25年間、釈迦の世話をした。第一結集のとき、彼の記憶に基づいて経が編纂された。 |
2017年4月29日 (土) 08:58時点における最新版
十大弟子
釈迦の10人の主要な弟子のこと。
(1)舎利弗 (しゃりほつ)
(2)摩訶目犍連 (まかもっけんれん)
- パーリ語でマハーモッガラーナ (Mahāmoggallāna、महामोग्गळान)。一般に目連と呼ばれ、神通第一。
- 舎利弗とともに懐疑論者サンジャヤ・ベーラッティプッタの弟子であったが、ともに仏弟子となった。目連が餓鬼道に落ちた母を救うために行った供養が『盂蘭盆会 』の起源になったといわれる。
(3)摩訶迦葉 (まかかしょう)
- パーリ語でマハーカッサパ(Mahākassapa、महाकस्सप)。頭陀 第一。
- 釈迦の死後その教団を統率し、500 人の仲間とともに釈迦の教法を編集し(第一結集)、付法蔵 (教えの奥義を直伝すること) の第一祖となった。
(4)須菩提 (しゅぼだい)
- サンスクリット語でスブーティ(Subhūti、सुभूति)。解空第一。空を説く大乗経典にしばしば登場する。
(5)富楼那弥多羅尼子 (ふるなみたらにし)
- サンスクリット語でプールナマイトラーヤニープトラ(Pūrṇamaitrāyanīputra、पूर्णमैत्रायनीपुत्र)。説法第一。「富楼那」とは別人か?
(6)摩訶迦旃延 (まかかせんねん)
- パーリ語でマハーカッチャーナ(Mahākaccāna、महाकच्चान)。論議第一。
- 辺地では5人の師しかいなくても授戒する許可を仏から得た。
(7)阿那律 (あなりつ)
- サンスクリット語でアニルッダ(Aniruddha、अनिरुद्ध)。天眼第一。
- 釈迦の従兄弟で阿難とともに出家した。仏の前で居眠りして叱責をうけ、眠らぬ誓いをたて、視力を失ったがそのためかえって真理を見る眼をえた。
(8)優波離 (うぱり)
- サンスクリット語でウパーリ(Upāli、उपालि)。持律第一。
- もと理髪師で、階級制度を否定する釈迦により、出家した順序にしたがって、貴族出身の比丘の兄弟子とされた。第一結集においては、彼の記憶に基づいて戒律が編纂された。
(9)羅睺羅 (らごら)
- サンスクリット語でラーフラ(Rāhula、राहुल)。羅云とも書かれる。密行第一。
- 釈迦の息子。釈迦の帰郷に際し出家して最初の沙弥(少年僧) となる。
(10)阿難 (あなん)
- サンスクリット語でアーナンダ(Ānanda、आनन्द)。多聞第一。
- 釈迦の従兄弟。出家して以来、釈迦が死ぬまで25年間、釈迦の世話をした。第一結集のとき、彼の記憶に基づいて経が編纂された。