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:分別というのは、有漏の三界の心心所法である。妄分別をもって自体と為すがゆえに。 ''唯識述記'' 七末 | :分別というのは、有漏の三界の心心所法である。妄分別をもって自体と為すがゆえに。 ''唯識述記'' 七末 | ||
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2017年8月27日 (日) 18:30時点における版
分別
vikalpa विक्प (S)
諸々の事理を思量して識別することを分別という。これは、心心所の自性作用であるから、これによって心心所の異名として呼ばれることもある。
これは決して「良い意味」で使われる言葉ではない。仏は無分別智を得たのであるから、仏教の目標は無分別にある。世間の考え方とは逆であることに、十分な注意が必要である。
三界の心心所は、虚妄の分別をもって自性とする。すなわち、無我無法の上に妄りに我法を分別するのである。これによって、これを分別の惑と称し、この分別の惑を断じるのを無分別慧と称する。
三分別
- 自性分別 心心所の自性が現前の境に対して尋求動躍する。眼識が色を識別するようなもの。これは現量である。
- 計度分別 種々の差別(しゃべつ)の事を猛利に思量推度する。
- 隨念分別 経歴した事を追念思惟すること。
後の二つは、意識に限られてあるので、比量・非量である。