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+ | 言葉で考えられ[[しゅうじゃく|執着]]されたもの。心の外に実体としてあると考えられたもの。実体としてあると考えられた自己ともの(実我実法)。<br> | ||
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+ | 性・[[じしょう|自性]]にあたる「svabhāva」をラクシャナ(lakṣaṇa)に置き換えて遍計所執相という場合もある。 | ||
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+ | :云何諸法遍計所執相。謂、一切法名仮安立自性差別、乃至為令随起言説。〔[[げじんみっきょう|解深密経2,T16-693a〕 | ||
+ | :遍計所執自性者、謂、諸所有名言安立諸法自性。依仮名言、数数周遍、計度諸法而建立故。〔[[ゆがしじろん|瑜伽師地論]]64、T30-656c〕 | ||
+ | :愚夫於此(=依他起性)横執我法有無一異倶不倶等。如空花等、性相都無、一切皆名遍計所執。〔[[じょうゆいしきろん|成唯識論]]8,T31-46c〕 |
2018年4月19日 (木) 18:04時点における最新版
遍計所執性
parikalpita-svabhāva (S)
遍計所執自性ともいう。3つの存在のありようである三性(遍計所執性・依他起性・円成実性)の一つ。
言葉で考えられ執着されたもの。心の外に実体としてあると考えられたもの。実体としてあると考えられた自己ともの(実我実法)。
眼を患っている人に見える空中の華(空華)のように、まったく存在しないから、その存在性を都無という。
性・自性にあたる「svabhāva」をラクシャナ(lakṣaṇa)に置き換えて遍計所執相という場合もある。