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− | + | インドの五明の一つで論理学のこと。Akṣapāda (足目、別名ゴータマGautama、50頃~150頃)を開祖とする'''ニヤーヤ学派'''(Nyāya)が成立し、その根本聖典『ニヤーヤ・スートラ』Nyāya-sūtraが250~350年頃に編纂され、特に論争にあたって五分作法(ごぶんさほう)と呼ばれる論式が立てられた。この形式は、主張(宗)・理由(因)・実例(喩)・適合(合)・結論(結)より成る。これを'''古因明'''という。<br> | |
− | + | 仏教の論理学者である[[じんな|陳那]]は、3つの命題を立てる[[さんしさほう|三支作法]]に基づく論理学を大成したが、これは前者に対して'''新因明'''と呼ばれ、中国、チベット、日本においても盛んに研究された。 | |
− | + | 三支作法とは、論の命題である'''宗'''、宗を形成する理由である'''因'''、宗を助ける比喩(ひゆ)である'''喩'''の三支からつくられる論式のこと。 |
2020年5月13日 (水) 16:00時点における最新版
因明
hetu-vidyā हेतुविद्या
インドの五明の一つで論理学のこと。Akṣapāda (足目、別名ゴータマGautama、50頃~150頃)を開祖とするニヤーヤ学派(Nyāya)が成立し、その根本聖典『ニヤーヤ・スートラ』Nyāya-sūtraが250~350年頃に編纂され、特に論争にあたって五分作法(ごぶんさほう)と呼ばれる論式が立てられた。この形式は、主張(宗)・理由(因)・実例(喩)・適合(合)・結論(結)より成る。これを古因明という。
仏教の論理学者である陳那は、3つの命題を立てる三支作法に基づく論理学を大成したが、これは前者に対して新因明と呼ばれ、中国、チベット、日本においても盛んに研究された。
三支作法とは、論の命題である宗、宗を形成する理由である因、宗を助ける比喩(ひゆ)である喩の三支からつくられる論式のこと。