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− | 中国の注釈では、'''精舎'''は立派なすぐれた建物の意ではなく、精練(十分によく自己の智徳を練り鍛える) | + | 中国の注釈では、'''精舎'''は立派なすぐれた建物の意ではなく、精練(十分によく自己の智徳を練り鍛える)する者の舎宅の意であるとする。中国で精舎の語は、世俗を離れた隠者が主催する学校・学舎の意味で用いられている。また道教でも、道士の住む道館、もしくは在俗信者のための施設の意味で用いられる。 |
− | [[ほっけきょう|法華経]](分別功徳品) | + | なお『管子』(かんし)(内業)には |
− | + | :定心中に在らば、耳目聡明、四肢堅固にして、以て精の舎と為すべし | |
+ | とあって、精(気のもっともすぐれたもの)の宿る所の意で用いられている。 | ||
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+ | 尊い人。宗教的にすぐれた人。〔『有部律破僧事』7、T24-136b〕 | ||
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+ | 倶舎の教学によると、苦法智忍を得た人。〔『倶舎論』23、T29-121b〕 |
2018年8月20日 (月) 03:02時点における最新版
精舎
vihāra विहार (S)
原語の漢訳語。出家修行者の住する寺院。僧院。釈迦在世中の祇園精舎・竹林精舎などが有名。
中国の注釈では、精舎は立派なすぐれた建物の意ではなく、精練(十分によく自己の智徳を練り鍛える)する者の舎宅の意であるとする。中国で精舎の語は、世俗を離れた隠者が主催する学校・学舎の意味で用いられている。また道教でも、道士の住む道館、もしくは在俗信者のための施設の意味で用いられる。
なお『管子』(かんし)(内業)には
- 定心中に在らば、耳目聡明、四肢堅固にして、以て精の舎と為すべし
とあって、精(気のもっともすぐれたもの)の宿る所の意で用いられている。
- 栴檀もて精舎を立て、園林を以て荘厳す 法華経(分別功徳品)
聖者
ārya (S)
尊い人。宗教的にすぐれた人。〔『有部律破僧事』7、T24-136b〕
世俗の求道者に対する呼びかけ。〔『華厳経』57、T9-765b〕
ārya-pudgala (S)
倶舎の教学によると、苦法智忍を得た人。〔『倶舎論』23、T29-121b〕