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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

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インドのシャンカラスバーミン(商羯羅主,450頃~530頃)の著作。インド仏教論理学の大成者[[じんな|陳那]]の論理学(新因明)に関する入門書。6部に分けて論理学を説く。
 
インドのシャンカラスバーミン(商羯羅主,450頃~530頃)の著作。インド仏教論理学の大成者[[じんな|陳那]]の論理学(新因明)に関する入門書。6部に分けて論理学を説く。
 
ジャイナ教徒もこれに種々の注釈書を作り、また中国、日本においても多くの注解書が作られ、仏教論理学の基本書として研究された。
 
ジャイナ教徒もこれに種々の注釈書を作り、また中国、日本においても多くの注解書が作られ、仏教論理学の基本書として研究された。
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 本論は、[[じんな|陳那]]の[[いんみょうしょうりもんろん|因明正理門論]]を基礎としつつ、論理的誤謬をとりあげて「三十三過」として、詳しい説明が簡明になされている。<br>
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 この論が翻訳されて後、中国において[[き|基]]によって『因明入正理論疏』(俗称:[[いんみょうだいしょ|因明大疏]])が出てから、大変多くの註釈が著わされた。その後、[[ほっそうしゅう|法相宗]]が日本に伝わると、本論および因明大疏も伝わり、さらに多くの註釈が加えられた。<br>
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 さらに時代が下り、日本においては、[[こうえ|講会]]の[[ろんしき|論式]]及び論義に際する論理的誤謬を指摘するために、本論で取り上げられた「三十三過」に注目が集まり、『因明三十三過本作法』という簡明な論書が出され、それに対する註釈、さらにその中の「四相違」に対する註釈が多く研究された。
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==テキスト==
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*[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/ddb-sat2.php?mode=detail&useid=1630_ 因明入正理論] 大正大蔵経 vol.32 No.1630
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*『因明入正理論』 国訳一切経 論集部一 林彦明訳
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==註疏==
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* [http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/ddb-sat2.php?mode=detail&useid=1840_ 因明入正理論疏] [[じおん|慈恩大師]][[き|基]]著 大正蔵 vol.44 No.1840
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* [http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/ddb-sat2.php?mode=detail&useid=1841_ 因明義断] [[えしょう|慧沼]]著 大正蔵 vol.44 No.1841
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* [http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/ddb-sat2.php?mode=detail&useid=1842_ 因明入正理論義纂要] 慧沼著 大正蔵 vol.44 No.1842
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* [http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/ddb-sat2.php?mode=detail&useid=2270_ 因明論疏明燈抄] [[ぜんじゅ|善珠]]著 大正蔵 vol.68 No.2270
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* [http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/ddb-sat2.php?mode=detail&useid=2271_ 因明大疏抄] [[ぞうしゅん|蔵俊]]著 大正蔵 vol.68 No.2271
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* [http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/ddb-sat2.php?mode=detail&useid=2272_ 因明大疏融貫鈔] [[きべん|基辨]]著 大正蔵 vol.69 No.2272
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ほか

2011年5月23日 (月) 22:35時点における版

因明入正理論

(skt.)Nyaayapravezaka न्यायप्रवेषक

インドのシャンカラスバーミン(商羯羅主,450頃~530頃)の著作。インド仏教論理学の大成者陳那の論理学(新因明)に関する入門書。6部に分けて論理学を説く。 ジャイナ教徒もこれに種々の注釈書を作り、また中国、日本においても多くの注解書が作られ、仏教論理学の基本書として研究された。

 本論は、陳那因明正理門論を基礎としつつ、論理的誤謬をとりあげて「三十三過」として、詳しい説明が簡明になされている。
 この論が翻訳されて後、中国においてによって『因明入正理論疏』(俗称:因明大疏)が出てから、大変多くの註釈が著わされた。その後、法相宗が日本に伝わると、本論および因明大疏も伝わり、さらに多くの註釈が加えられた。
 さらに時代が下り、日本においては、講会論式及び論義に際する論理的誤謬を指摘するために、本論で取り上げられた「三十三過」に注目が集まり、『因明三十三過本作法』という簡明な論書が出され、それに対する註釈、さらにその中の「四相違」に対する註釈が多く研究された。

テキスト

  • 『因明入正理論』 国訳一切経 論集部一 林彦明訳

註疏

ほか