操作

「みょうごんしゅうじ」の版間の差分

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

(ページの作成:「=名言種子= <big>abhilāpa-bīja</big> (S)  言葉(名言)によって潜在的根本心である阿頼耶識のなかにくんじゅう|...」)
 
(名言種子)
 
2行目: 2行目:
 
<big>abhilāpa-bīja</big> (S)
 
<big>abhilāpa-bīja</big> (S)
  
 言葉(名言)によって潜在的根本心である[[あらやしき|阿頼耶識]]のなかに[[くんじゅう|薫習]]された[[しゅうじ|種子]]で、現在の一刹那の存在、あるいは未来の存在を生じる可能力(種子)をいう。阿頼耶識のなかの種子はすべてまとめて名言種子といわれるが、そのなかで善業あるいは悪業によって善・悪のいずれかに色付けされた種子を別立して[[ごうしゅうじ|業種子]]と呼ぶ。名言種子を、別名、等流習気ともいう。名言種子には、次の二種がある。(i)表義名言種子。対象の意味(義)を言い表す言葉としての音声を生じる種子。(1)顕境名言種子。対象(境)を認識するこころ(心・心所)を生じる種子。
+
 言葉(名言)によって潜在的根本心である[[あらやしき|阿頼耶識]]のなかに[[くんじゅう|薫習]]された[[しゅうじ|種子]]で、現在の一刹那の存在、あるいは未来の存在を生じる可能力(種子)をいう。阿頼耶識のなかの種子はすべてまとめて名言種子といわれるが、そのなかで善業あるいは悪業によって善・悪のいずれかに色付けされた種子を別立して[[ごうしゅうじ|業種子]]と呼ぶ。<br>
 +
 名言種子を、別名、等流習気ともいう。<br>
 +
 名言種子には、次の2種がある。()表義名言種子。対象の意味(義)を言い表す言葉としての音声を生じる種子。(ⅱ)顕境名言種子。対象([[きょう|境]])を認識するこころ([[しん|心]]・[[しんじょ|心所]])を生じる種子。
  
   言有二。一表義名言、即能詮義音声差別。二顕境名言、即能了境心心所法。〔『成唯識論』8,T31-43b〕
+
   言有二。一表義名言、即能詮義音声差別。二顕境名言、即能了境心心所法。    〔『成唯識論』8,T31-43b〕

2019年1月16日 (水) 09:23時点における最新版

名言種子

abhilāpa-bīja (S)

 言葉(名言)によって潜在的根本心である阿頼耶識のなかに薫習された種子で、現在の一刹那の存在、あるいは未来の存在を生じる可能力(種子)をいう。阿頼耶識のなかの種子はすべてまとめて名言種子といわれるが、そのなかで善業あるいは悪業によって善・悪のいずれかに色付けされた種子を別立して業種子と呼ぶ。
 名言種子を、別名、等流習気ともいう。
 名言種子には、次の2種がある。(ⅰ)表義名言種子。対象の意味(義)を言い表す言葉としての音声を生じる種子。(ⅱ)顕境名言種子。対象()を認識するこころ(心所)を生じる種子。

 言有二。一表義名言、即能詮義音声差別。二顕境名言、即能了境心心所法。    〔『成唯識論』8,T31-43b〕