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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

(具足)
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1.「完全な」という意味の形容詞、もしくは「完全に」という副詞として使われる。
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 「完全な」という意味の形容詞、もしくは「完全に」という副詞として使われる。
  
 
   '''具足'''の道を聞かんと欲す    〔[[ほけきょう|法華経]]方便品〕
 
   '''具足'''の道を聞かんと欲す    〔[[ほけきょう|法華経]]方便品〕
  
2.「道具」と言う意味で使われることもある。
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 「道具」と言う意味で使われることもある。
  
 
   仏滅後、如来の法を紹隆したまへる教・禅の宗師、皆同じく戒相を'''具足'''したまへり    〔夢中問答 下〕
 
   仏滅後、如来の法を紹隆したまへる教・禅の宗師、皆同じく戒相を'''具足'''したまへり    〔夢中問答 下〕
  
 
   およそ仏道修行には,何の'''具足'''もいらぬなり    〔[[みょうえ|明恵]]遺訓〕
 
   およそ仏道修行には,何の'''具足'''もいらぬなり    〔[[みょうえ|明恵]]遺訓〕
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==3.==
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<big>saṃpad</big> (S)<br>
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 具えていること。
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 「具足」は達摩笈多による訳。[[しんたい|眞諦]]訳だと「円浄」、玄奘訳は「円満」である。<br>
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 浄土相を、十八円浄説で読む。
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:一色相円浄(玄奘訳顕色円満)、二形貌円浄(形色円満)、三量円浄(分量円満)、四処円浄(方処円満)、五因円浄(因円満)、六果円浄(果円満)、七主円浄(主円満)、八助円浄(輔翼円満)、九眷属円浄(眷属円満)、十持円浄(住持円満)、十一業円浄(事業円満)、十二利益円浄(摂益円満)、十三無怖畏円浄(無畏円満)、十四住処円浄(住処円満)、十五路円浄(路円満)、十六乗円浄(乗円満)、十七門円浄(門円満)、十八依止円浄(依持円満) 〔『摂大乗論』天親釈(「釈智差別勝相」、―真諦訳巻第十五、玄奘訳巻第十「彼果智分」第十一之余、T31. 263a-264a〕

2025年3月5日 (水) 15:25時点における版

具足

1.

 「完全な」という意味の形容詞、もしくは「完全に」という副詞として使われる。

 具足の道を聞かんと欲す    〔法華経方便品〕

2.

 「道具」と言う意味で使われることもある。

 仏滅後、如来の法を紹隆したまへる教・禅の宗師、皆同じく戒相を具足したまへり    〔夢中問答 下〕
 およそ仏道修行には,何の具足もいらぬなり    〔明恵遺訓〕

3.

saṃpad (S)
 具えていること。

 「具足」は達摩笈多による訳。眞諦訳だと「円浄」、玄奘訳は「円満」である。
 浄土相を、十八円浄説で読む。

一色相円浄(玄奘訳顕色円満)、二形貌円浄(形色円満)、三量円浄(分量円満)、四処円浄(方処円満)、五因円浄(因円満)、六果円浄(果円満)、七主円浄(主円満)、八助円浄(輔翼円満)、九眷属円浄(眷属円満)、十持円浄(住持円満)、十一業円浄(事業円満)、十二利益円浄(摂益円満)、十三無怖畏円浄(無畏円満)、十四住処円浄(住処円満)、十五路円浄(路円満)、十六乗円浄(乗円満)、十七門円浄(門円満)、十八依止円浄(依持円満) 〔『摂大乗論』天親釈(「釈智差別勝相」、―真諦訳巻第十五、玄奘訳巻第十「彼果智分」第十一之余、T31. 263a-264a〕