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蓮如の言葉には「御文章」とは呼ばれず、「[[おふみ|御文]]」と呼ばれている。御文章という呼び方は、本願寺派のものである。 | 蓮如の言葉には「御文章」とは呼ばれず、「[[おふみ|御文]]」と呼ばれている。御文章という呼び方は、本願寺派のものである。 |
2006年12月6日 (水) 18:54時点における版
御文章
本願寺第8代の蓮如が門徒に書き与えた手紙の形態を使った法語。門弟の要望に応えて、教義のかなめを平易に説いた。原型は親鸞の御消息に示唆を得て作られたともいわれる。
蓮如の言葉には「御文章」とは呼ばれず、「御文」と呼ばれている。御文章という呼び方は、本願寺派のものである。
- 御文は如来の直説なりと存ずべきの由に候ふ.形を見れば法然,詞(ことば)を聞けば弥陀の直説と言へり 〔蓮如上人御一代聞書〕
帖内御文章
御文章として残っているものは、221通ほどあるとされるが、このうち80通を5条に編集して、この御文章を「帖内(じょうない)御文章」と呼んでいる。この内、吉崎時代40通、河内出口時代7通、山科時代5通、大坂坊舎時代6通、年紀が記されていないもの22通となっている。
浄土真宗の家庭では、この御文章を漆塗りの「御文章箱」に入れ、仏壇前の経卓の左側に配置している。また、朝夕、『正信偈・和讃』の読誦の後に、この御文章の一通を朗読して、その座の人全員で聴聞するのを通例としている。
なお、この80通以外の御文章を「帖外御文章」と呼ぶ。
内容
全般の内容は、当時の異流や宗門内で盛んに行われていた善知識だのみ、十劫秘事、口称正因などの異安心や異義を批判しつつ、信心正因・称名報恩という真宗の正義を明らかにしている。とくに
- なにの分別もなく口にただ称名ばかりをとなへたらば、極楽に往生すべきやうにおもへり
という傾向に対して、他力の信心の重要性が説かれている。
また、他力回向の信心を「たすけたまへと弥陀をたのむ」と表現いるのは、蓮如の教学の特色である。