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− | 『[[にょらいぞうきょう|如来蔵経]]』をうけて、[[にょらいぞう|如来蔵]] | + | 6世紀初頭に漢訳されたが、同時期に訳出された『究寛一乗宝性論』Ratnagotravibhāga Mahāyānottaratantraśāstra(「宝性を分別する大乗の最上要義論」。略称『[[ほうしょうろん|宝性論]]』)に全体の3分の1近くが引用されていて、サンスクリットの原文が知られる。これの成立は4世紀中葉と思われる。<br> |
+ | 『[[にょらいぞうきょう|如来蔵経]]』をうけて、[[にょらいぞう|如来蔵]]思想をある程度教理的に組織立てて説く。<br> | ||
+ | 『宝性論』所引のサンスクリット文は、宇井伯寿『宝性論研究』(1959年)に引用順に、また、高崎直道「不増不減経の如来蔵説」(「駒沢大学仏教学部紀要」脇、1965年)に、本経の内容順に漢訳と対照して掲載。 | ||
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2018年3月19日 (月) 17:39時点における最新版
不増不減経
一巻。北魏の菩提流支の訳。『Anūnatvāpūrṇatvanirdeśa』(減少しないことと満ちあふれないことについての解説)漢訳は1種のみ現存。大正蔵 No.668 Vol.16
6世紀初頭に漢訳されたが、同時期に訳出された『究寛一乗宝性論』Ratnagotravibhāga Mahāyānottaratantraśāstra(「宝性を分別する大乗の最上要義論」。略称『宝性論』)に全体の3分の1近くが引用されていて、サンスクリットの原文が知られる。これの成立は4世紀中葉と思われる。
『如来蔵経』をうけて、如来蔵思想をある程度教理的に組織立てて説く。
『宝性論』所引のサンスクリット文は、宇井伯寿『宝性論研究』(1959年)に引用順に、また、高崎直道「不増不減経の如来蔵説」(「駒沢大学仏教学部紀要」脇、1965年)に、本経の内容順に漢訳と対照して掲載。
大正16、国訳経集部6