とく
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
徳
仏教でいう徳は、善根や功徳、美徳、属性など、さまざまな意味をもつ。
正しい道を行って、すでに得るところがある、という意味である。転じて、めぐみ、さいわいなどの意味。主に、功徳、福徳、道徳という熟語で使われる。
仏果の功徳を、二つの徳に分けて言う。
あるいは、智・断・恩(願力によって衆生を救う)の三徳として、仏菩薩の徳性を分けて、悲徳(利他)と智徳(自利)の二徳とする。
また、先天的に具えている真実の本性を性徳(しょうとく)、後天的な修行によって得られる徳を修徳(しゅとく)として二徳とする。
- 施す者も受くる者も倶(とも)に徳有るがゆえに報を得ること増多なり 〔大智度論(11)〕
このように、有徳(うとく)の者を「徳」と呼ぶことがあり、「大徳」は、
- 婆檀陀(bhadanta)、秦には大徳と言う 〔大智度論(2)〕
などのように、仏に対する敬称から修行者に対する呼びかけまで、幅広く使われる。