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おうじょうらいさん

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

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往生礼讃

1巻。善導の著・七祖聖教の一。
 詳しくは『勧一切衆生願生西方極楽世界阿弥陀仏国六時礼讃偈』という。一切衆生を勧めて、西方極楽世界の阿弥陀仏国に生ぜんと願ぜしむる六時礼讃の偈との意味である。『往生礼讃偈』『六時礼讃』『礼讃』ともいう。

 題号が示すように、願生行者が日常実修すべき六時(日没<にちもつ>・初夜・中夜・後夜<ごや>・農朝<じんじょう>・日中)の礼法を明かしたものである。
 全体は、前序と礼讃の行儀について明かす正明段<しょうみょうだん>と後述の3段よりなっている。前序では、安心起行作業という願生行者の実践法について述べ、さらに称名念仏を専修する一行三昧の意義、専修と雑修の得失について説き述べている。
 正明段では、『大経』の十二光仏名による日没讃、『大経』の要文による初夜讃、龍樹の「十二礼」による中夜讃、天親の「願生偶」による後夜讃、彦琮の「礼讃偈」による晨朝讃、善導自作の「十六観偈」による日中讃を示して、六時行儀の次第を明かしている。
 後述の部分では、『十往生経』『観経』『大経』『小経』を引証して、現世と当来の得益<とくやく>に言及し、一部を結んでいる。

 本書は、浄土教の敬虐な日常行儀を説き述べたものとして長く勤式に依用されたばかりでなく、教学の上からも、善導の独創的な儀礼論がうかがわれるものとして重要な意義を有している。