入滅(にゅうめつ)の「滅」とは、滅度(めつど)・寂滅(じゃくめつ)ともいい、サンスクリット語の「nirvaaNa」(निर्वाण)であり、煩悩の炎が吹き消えた状態、宗教的解放を意味する解脱(げだつ)のことである。「涅槃(ねはん)」「泥洹(ないおん)」などとも音写される。また、老荘思想の重要概念語「無為」と訳されることもある。よって「入滅」とは、そのような境地に入ることをいう。
ただし、完全な解脱は肉体の完全な消滅、つまり「死」によって完結するから、「入滅」とは、宗教的に目覚めた人が死ぬことをも意味する。