がき
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
餓鬼
preta प्रॆत (skt.)
サンスクリット語の意味は「死せる者」「逝きし者」と言う意味で、ヒンドゥー教では、死後一年たって祖霊の仲間入りをする儀礼が行われるが、それまでの死霊を「प्रॆत」と呼ぶ。その一年間、毎月供物を供えて儀礼を行わなければ、その後も祖霊になれず、亡霊となると考えられている。
中国から日本では、有縁無縁の霊魂への供養をする施餓鬼が重視された。
六道の餓鬼
仏教では、死者の霊ではなく、六道の一つである餓鬼道の住人を呼ぶことが多い。餓鬼道は、地獄の上、畜生の下に位置しているとされ、生前に嫉妬深かったり、モノ惜しみが激しかったり、むさぼりの心が強かった人間が赴くとされる。
餓鬼の生活は様々に描写されているが、飲食物が得られない飢餓状態を表現していることが多く共通している。また、乞食や窮民の姿をビジュアライズされている場合も多い。インドでも、僧院の壁画に餓鬼世界など六道世界が描かれており、因果応報を諭している。日本でも、餓鬼草紙などのように六道絵や十界図の中に餓鬼が描写されている。
説話の中の餓鬼
盂蘭盆の由来を説く「目連救母説話」が、中国から日本に広く伝わって、餓鬼道に堕ちた者の状態や、供養によってその者が救われるとされている。
子供を餓鬼と呼ぶ由来
子供たちを卑しめて「餓鬼」と呼ぶのは、餓鬼道の住人が食べ物をむさぼり欲しがることからの呼び名である。
障子の骨
障子の骨のことを「餓鬼骨」と呼ぶことがある。これは、おそらく障子の骨が餓鬼の骨のように細いことから呼ばれたものであろう。