〈pratipakSa〉 相手に向かい合って正しく治定する意味で、仏教では、個々の煩悩の迷いを断つこと。
仏道修行の過程で悟りのさまたげになる障害を除くことをいう。個々の障害を対症的に断じてゆくことから、病気を治す意味となり、一方「退治」を当てて、こらしめる、討伐するの意に用いられるようになった。
なお、わが国で「退治」の表記が見られるのは中世以後で、意味の転化もそれに対応したようである。