あらやしきえんぎ
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
阿頼耶識縁起
唯識独自の縁起説。この縁起説の縁起は次の3つの過程から成り立っている。
- 種子生現行 深層的な根本心である阿頼耶識のなかの種子(可能力)が原因となって、現行(現象的存在)が結果として生じ、
- 現行薫種子 生じた現行が原因となって阿頼耶識のなかに結果としての種子を薫じ、
- 種子生種子 薫じつけられた種子は、刹那に生滅しつつ、新たな種子を生じる(そして、その種子が縁をえて、再び現行を生じ、その現行が種子を薫じ
……と因果の連鎖がつづく。
この「種子生現行」「現行薫種子」「種子生種子」という三つの過程は、すべて「識」のなかで起こる出来事であり、この絶えることがない識の因果連続の循環活動のみが存在するから、
唯だ識のみが存在し、識の外には物は存在しない(唯識無境)
と唯識は主張する。