ごさいだんのごしょ
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
御裁断御書
本願寺19代本如の消息。本願寺派最大の安心上の騒動である三業惑乱に教義上の決着をつけたもの。文化3年(1806)11月6日に出された。
内容は3段に分かれている。
第1段において、経論所説の他力信心を、親鸞聖人は「ふたごころなく疑なし」〔銘文 p.651〕と無疑の信楽をもって示し、その信心の相を蓮如上人は『御文章』のなかで、「後生御たすけ候へとたのみたてまつる」と教えたとして、信楽帰命説が正しい法義であると明確にする。
第2段においては、三業帰命説を異義とし、信決定の年月の覚不覚を論ずることの誤りを指摘する。
第3段においては、迷心をひるがえして本願真実の他力信心にもとづくよう教化して全体を結ぶ。
ほぼ同時に出された『御裁断申明書』もほとんど同内容であるが、本書との関係は定かではない。
超然の『反正紀略』には『御裁断書』として『御裁断申明書』の文を挙げ、『御裁断写』として本書の文を挙げている。