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ちゅうがん

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

中観

 有無(うむ)、断常(断見・常見)といった極端な考えかた(二辺)を離れて、物事を自由に見る視点のこと。
 『中論』で縁起・空性(くうしょう)・仮(け)・中道(ちゅうどう)を同列におく一偈を、中国の天台では、「」の三諦(さんだい)を説くもの(三諦偈)と解釈された。中観は空観・仮観とならんで物事を把握する三視点の一つとして位置づけられている。

 ここで中観は「中を観ること」ではなく、「中という視点」と理解すべきである。現在の「中観派」という用語は、「中派」といったのでは落ちつきが悪いので採用されている。

「中観心を瑩(みが)いて,百非心虚(しんこ)にとどまらず」        〔性霊集(7)〕
「一中一切中なれば,空仮として中にあらざるなし.総じて中観なり」   〔十住心論(8)〕