ふしぎ
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
不思議
acintya, atarkika (S)
不可思議の略。思慮を超越していること。われわれの思惟以上の。思惟を超えた。われわれの言い表わし以上。それを超越している。さとりの形容。
〔宝性論4 T31-840a、勝鬘経 T12-221a、法華経1 T9-6a〕
〔唯識三十頌 T31-61b、成唯識論 T31-57a、往生要集 T84-48c〕
無心。能取の心のないこと(grāhaka-citta-abhāva)についていう。〔成唯識論 T31-61b〕
二乗(小乗の徒)の思議しえないこと。〔上宮維摩疏 上 T56-30a〕
思ってもみられない驚いたこと。考えも及ばないようなこと。
具不思議大威力 (acintya-prabhāvatā) 不可思議の威神力のあること。
阿弥陀仏の誓願も名号も凡夫の思慮を絶していること。心で思いはかることができないこと。〔歎異抄〕
- 心も言葉も及ばず。
- 不可思議と同じ事なり。 〔香月 2504〕