ごじょうしんかん
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
五停心観
五停心観とは、貪欲。瞋恚・愚痴・我見・散乱心の5種の過失を停止するための観法で、不浄観・慈愍観・因縁観・界分別観・数息観(安那般那)の5種。この五停心観と、別相念処、総相念処の2種の四念処を合わせて「三賢」と呼ばれる。これに四善根を加えた三賢四善根が、声聞としての道を追求するための最初の段階にあたる。この段階の知恵を『大智度論』は「非学非無学智」と呼んでいる。
ある対象に心を集中して対象の本質をみる観法。修行者の気質や性格の相違に応じて、
- 不浄観 外界の不浄な様相を観じて貪りの心をなおす。
- 慈愍観 一切衆生を観じ、慈悲の心を生じて怒りを静める。
- 縁性縁起観 諸事象が因縁によって生じるという道理を観じて、愚かな心をなおす。
- 界差別観 五蘊・十八界などを観じて、物には実体があるという見解を正す。
- 阿那波那念 呼吸の数を数えて、乱れた心を治める。
の5つに分かれる。