してんのうじ
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四天王寺
大阪市天王寺区四天王寺にある、聖徳太子ゆかりの寺。「荒陵寺(あらはかでら)」とも、略して「天王寺」ともいう。現在は和宗の総本山であるが、もとは天台宗であった。
地図 [1]
概観
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伽藍配置図
http://www10.ocn.ne.jp/~mk123456/fig/4tenn1.GIF
『日本書紀』の587年(用明2)の条に、物部守屋と蘇我馬子の間の争いの際、聖徳太子の戦勝祈願により建てられたとし、また同書593年(推古1)の条にはこの年の創建とする。現在では本格的な造営の始まりを後者としている。
伽藍は中門・五重塔・金堂・講堂を一直線に配する独特な配置となっている。平安時代には落雷や火災に遇ったがそのつど復興され、太子信仰復活の気運の中で、11-12世紀の間、皇族・権臣の参詣も相次いだ。
その頃、当寺が大阪湾に面して、日想観にふさわしい地でもあることから、当寺の西門を極楽浄土の東門とみなす信仰がおこり、極楽往生を願って難波(なにわ)の海に投身する者もあった。その中で有名なのが「極楽願往生歌」(1142)を詠じた西念(さいねん)である。
その後、山門・寺門の当寺の別当職相承をめぐる争いや、住吉大社との阿倍野境に関する相論などがあり、また罹災することもしばしばであった。