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しゅみだん

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

須弥壇

仏殿内で仏像や仏龕(ぶつがん)を安置するため設けた高い壇。仏像の台座の一つである須弥座と同義である。

 帝釈天の住むという須弥山をかたどったもので、須弥山形の上に仏像を安置するのは、古くインドでも行われていた。四角、八角または円形の、一重か二重の壇で、多くは上縁には勾欄(こうらん)がある。

 奈良時代までは仏堂が土間であったため、須弥壇も石造や漆食造で、低いものが多い(法隆寺夢殿八角壇、新薬師寺の円形漆食壇、薬師寺唐招提寺金堂の石造矩形(くけい)壇)。
 平安時代になると仏堂の板敷にあわせて須弥壇も木造となった。普通は上下の框(かまち)の間に束(つか)を立て、束と束の間に板をはめ、格狭間(こうざま)が設けられるが、密教建築では壇が高く、上に厨子(ずし)が設けられることが多い。また平等院鳳凰堂(ほうおうどう)や中尊寺金色堂などは漆塗りに蒔絵(まきえ)・螺鈿(らでん)などを施し、金銅の飾り金具を使用した豪華な遺品である。
 鎌倉時代には、宋(そう)風に倣って繰形(くりがた)を多く使用し、細かい段を重ねて腰細にした禅宗様の形式が生まれた。その代表例は建長寺のもので、腰部の蹴込(けこ)みには獅子(しし)や唐草(からくさ)が彫り出され、上縁には禅宗様独特の勾欄が置かれている。