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とんじんち

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

貪瞋癡

lobha-dveṣa-moha: rāga-dveṣa-dveṣa (S)

 。心を汚し毒する3つの根本煩悩であるから三毒という。「貪恚癡」ともいう。

 阿羅漢は現法の中に於て貪瞋癡などの一切の煩悩を永断す。
 ゴータマ・ブッダは、煩悩(苦しみをもたらす心的要素)を総括して、貪瞋痴(の三毒)にまとめた。この三者は同列に並ぶのではなく、同列に並ぶ貪と瞋とを引き起こす根元として癡があるという構造になっている。つまり、ゴータマ・ブッダは、輪廻のメカニズムの根元に根本的な生存欲を置き、欲望を貪(求める欲望)と瞋(避ける欲望)とで代表させたのである。

 貪(rāga, ラーガ)とは、望ましいものをおのがものにしようとすることで、快感にもとづく行為の起動力と見てよいであろう。一般には、欲求、欲望、願望などのことをいう。
 瞋(ドーサ、dveṣa, ドヴェーシャ/アラティ)とは、望ましくないものを排斥したり回避したりしようとすることで、不快感にもとづく行為の起動力に当たる。一般には、怒り、嫌悪などのことをいう。
 癡(dveṣa, モーハ)とは、迷妄、無知のことで、しばしば渇愛(タンハー、トリシュナー)や無明(アヴィッジャー、アヴィッディャー)と同義に扱われる。