8巻
光宅寺法雲の著。
聖徳太子の『法華義疏』は主としてこの本に拠っている。
法雲は、『法華経』の一乗妙法の説には最大の評価を与えつつも、久遠釈迦の説については、五時教判と同じ見解に立って、永遠の説き明かしかたが『涅槃経』に比べて不完全であると評し、結局、涅槃経に拠っていく。そのため、智顗や吉蔵の法華注釈書の中で批判を受ける。