ほっしょうほっしん
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
法性法身
法性法身というのは法性という単なる理を指すというよりも、むしろ言亡慮絶・分別戯論が死滅し法性に通達した阿弥陀仏の般若・慧を指し、方便法身というのは、分別戯論をかさねる迷妄の世界に接近してゆく(方便)・阿弥陀仏の智を指すと見られる。
絶対の真理である真如そのもの。または無為法身・無為法性身。法性・無為は因縁によってつくられないもので、不生不滅の永遠のことわりをさしている。〔『大智度論』9、T25-860a〕〔『教行信証』証巻 p.321〕
- 法性を体とするが故に法性法身と名く。理法身なり、所証の境なり。果法身で諸仏菩薩の証りの法身なり。〔円乗院宣明述『教行信證講義』四巻3980〕
- 本有不改の義の方なり。〔香月院深励述『教行信證講義』3986〕
[1]法性法身
- なにが故ぞ広略相入を示現する。諸仏菩薩に二種の法身あり。一には法性法身、二には方便法身なり。法性法身によりて方便法身を生じ、方便法身によりて法性法身を出す。この二法身は異にして分つべからず、一にして同ずべからず。この故に広略相入して統るに法の名をもってす。〔論註、T40, 841b〕