ごほう
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(ダルマパーラから転送)五法
相・名・分別・正智・如如をいう。
護法
〈530‐561年〉サンスクリットでは、ダルマパーラ Dharmapāla धर्मपाल。
インドの大乗仏教の学僧。瑜伽行唯識派の所属で十大論師の一人。
南インドのドラビダ国に大臣の子として生まれたが、王の娘との結婚式の夕べに出家した。
唯識だけでなくインド一般の学問にも通じ、ナーランダー寺に入り、ここで戒賢(シーラバドラ Śīlabhadra शीलभद्र)や最勝子など多くの弟子を育成した。
ほぼ同時代に安慧がおり、彼と相対峙する学説を唱えた。瑜伽行派に有相(うそう)唯識説と無相(むそう)唯識説との2系統があり、護法は前者を、安慧は後者を代表する学匠であるとみられている。
特に、阿頼耶識には、人間に本来そなわっている種子と、新たに発生する「種子」がある(新旧合生説)とする種子論、また認識は対象(相分)、主観(見分)、認知(自証分)、再確認(証自証分)の4要素の相互作用による(四分説)とする認識作用の分析が有名。
彼の学説は弟子の戒賢から玄奘に伝えられ、中国で法相宗を形成した。
29歳でブッダガヤー(仏陀伽耶)の菩提樹辺に隠棲し、32歳で世を去った。
著書
- 成唯識宝生論
- 大乗広百論釈論
- 観所縁論釈
- 成唯識論