あくしゅ
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
悪趣
durgati (S)
悪行の結果として人々が受けなくてはならない果報のことで、「悪道」とも言われる。
「趣」とか「道」というのは、「おもむく」「みち」であるから、結果としての果報であり、世界ではあるが、その行くこと自体に重点をおいて考えるべきである。そのような果報を受け、そのような世界に行かなくてはならない現在の自己の姿への反省が大切である。このように見ると、古代インドの人々、また過去の人々が実在の世界と考えていた地獄なども、今日的な立場でとらえることができるだろう。
たとえば、地獄とは貪欲や瞋恚の中に身を焦がし苦しんでいる姿、餓鬼とは「けちんぼ」の人が欲求不満でイライラしている姿などである。〔cf. 輪廻〕
仏教では、このような悪趣に地獄、餓鬼、畜生の'三悪趣、それに修羅を加えて四悪趣、さらに人間と天上を加えて六趣・六道を説く。この六趣から修羅を除いたものを五悪趣という。
ここに明らかなように、人界や天界までも悪趣としている点に注意すべきである。