輪廻における5種の生存状態。地獄・餓鬼・傍生・人・天の5つをいう。あるいは、業の報いとして衆生が趣く5つの場所をいう。 地獄を那落迦、餓鬼を鬼、傍生を畜生ともいう。『阿含経』には五趣を説くこともあり、これに阿素洛(阿修羅)を加えて六趣を説くこともある。
『大智度論』によれば、五趣説は説一切有部、六趣説は犢子部の主張であるという。また『論事』によれば、上座部は五趣説を、安達羅派(andhaka)と北道派(uttarapāthaka) とは六趣説であるという。