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じゅうじゅうしん

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

十住心

 空海の著した『秘密曼荼羅十住心論』『秘蔵宝鑰』に説かれる、人間の宗教意識の発達に応じて分類された心の10段階のことで、密教を最上位に位置させた教相判釈となっている。

  1. 異生羝羊心(いしょうていようしん) 本能的欲求にのみ従う凡夫の心に相当
  2. 愚童持斎心(ぐどうじさいしん)   善心が起こり道徳的に目覚めた心。人乗
  3. 嬰童無畏心(ようどうむいしん)   仏教以外の宗教を信奉し天上の楽果を求める心。天乗
  4. 唯蘊無我心(ゆいうんむがしん)   声聞
  5. 抜業因種心(ばつごういんじゅしん) 縁覚
  6. 他縁大乗心(たえんだいじょうしん) 法相宗
  7. 覚心不生心(かくしんふしょうしん) 三論宗
  8. 一道無為心(いちどうむいしん)   天台宗
  9. 極無自性心(ごくむじしょうしん)  華厳宗
  10. 秘密荘厳心(ひみつしょうごんしん) 真言宗

 九顕十密、九顕一密といった宗学的解釈がなされた。

真言には或いは二教、或いは十住心と云々    〔無量寿経釈〕