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+ | 1に『中論』大乗中、真実の理を申明したのでこのように言う。[[りゅうじゅ|龍樹]]菩薩の造った449偈、27品であり、前25品は大乗の迷執を破して大乗の實理を申ぺ、後の2品は小乗の迷執を破して小乗の實義を申べている。[[しょうもく|青目]]が釈を作っている。秦の[[らじゅう|羅什]]が刪補して訳したものが4巻ある。<br> | ||
+ | 2には『十二門論』、偈頌論釈共に龍樹の所造、所明の法門が12あるので十二門論と名づけ、十二門は悉く大乗の迷執を破して大乗の実理を申べている。羅什が訳して1巻がある。<br> | ||
+ | 3に『百論』、龍樹の弟子の[[だいば|提婆]]菩薩が造ったものであり、もと20品、一品各5偈あるので、偈の数に従って百論と名づけている。大小の両正を申べている。[[てんじん|天親]]菩薩が釈を造っている。 | ||
===参考図書=== | ===参考図書=== | ||
− | + | *[http://www.bk1.co.jp/product/64614/p-daigo07025 三論玄義 三枝充悳著] | |
+ | *[http://www.bk1.co.jp/product/505286/p-daigo07025 三論玄義 (岩波文庫)] |
2020年7月14日 (火) 08:55時点における最新版
三論
『中論』『十二門論』『百論』の3つの論書をまとめてこう呼ぶ。いずれも中観に関する論書で、この三論を所依とした三論宗が中国で出来て、日本にも伝わった。
1に『中論』大乗中、真実の理を申明したのでこのように言う。龍樹菩薩の造った449偈、27品であり、前25品は大乗の迷執を破して大乗の實理を申ぺ、後の2品は小乗の迷執を破して小乗の實義を申べている。青目が釈を作っている。秦の羅什が刪補して訳したものが4巻ある。
2には『十二門論』、偈頌論釈共に龍樹の所造、所明の法門が12あるので十二門論と名づけ、十二門は悉く大乗の迷執を破して大乗の実理を申べている。羅什が訳して1巻がある。
3に『百論』、龍樹の弟子の提婆菩薩が造ったものであり、もと20品、一品各5偈あるので、偈の数に従って百論と名づけている。大小の両正を申べている。天親菩薩が釈を造っている。