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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

(受用身)
(受用身)
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   受用身、此有二種。一自受用。謂、諸如来三無数劫、修集無量福慧資糧、所起無辺真実功徳、及極円浄常遍色身、相続湛然、尽未来際、恒自受用広大法楽。二他受用。謂、諸如来由平等智、示現微妙浄功徳身、居純浄土、為住十地諸菩薩衆、現大神通、転正法輪、決衆疑網、令彼受用大乗法楽。合此二種、名受用身。〔『成唯識論』10、T31-57c~58a〕
 
   受用身、此有二種。一自受用。謂、諸如来三無数劫、修集無量福慧資糧、所起無辺真実功徳、及極円浄常遍色身、相続湛然、尽未来際、恒自受用広大法楽。二他受用。謂、諸如来由平等智、示現微妙浄功徳身、居純浄土、為住十地諸菩薩衆、現大神通、転正法輪、決衆疑網、令彼受用大乗法楽。合此二種、名受用身。〔『成唯識論』10、T31-57c~58a〕
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 『浄土論』において、天親菩薩は十八円浄説を釈するにさきだって[[じしょうしん|自性身]]・'''受用身'''・[[へんげしん|変化身]]の[[さんしん|三身]]を説いている〔巻第13、釈智差別勝相之初〕。そのなか、第二受用身について、⑴法身をよりどころとし、⑵浄土を受用し、⑶大乗の法楽を受用するという3点を指摘して、
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:自性身に依止して、福徳智慧の二行を起こす。二行所得の果とはいわく、浄土の清浄とおよび大法楽なり。よく二果を受用するが故に受用身と名づく。〔T31, 249c〕
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と言い、さらに浄土は無量の衆宝土であり、多く菩薩が集まって大乗の法楽を'''受用'''し、また他のために大乗の法を説いて'''法楽'''を得せしめると説いているから、十八円浄説に示される浄土は、まさしく'''受用身の土'''であることが知られる。

2025年2月4日 (火) 09:49時点における版

受用身

 三種の仏身受用身変化身自性身)の一つ。長時にわたる修行によって報われた結果を享受する仏。これには次の2種がある。

1 自受用身
 他に姿を現すことなく、獲得した真理の楽を自らが享受する仏。
2 他受用身
 十地菩薩たちのために姿を現して説法し、彼らに真理の楽を享受せしめる仏。
 受用身、此有二種。一自受用。謂、諸如来三無数劫、修集無量福慧資糧、所起無辺真実功徳、及極円浄常遍色身、相続湛然、尽未来際、恒自受用広大法楽。二他受用。謂、諸如来由平等智、示現微妙浄功徳身、居純浄土、為住十地諸菩薩衆、現大神通、転正法輪、決衆疑網、令彼受用大乗法楽。合此二種、名受用身。〔『成唯識論』10、T31-57c~58a〕

 『浄土論』において、天親菩薩は十八円浄説を釈するにさきだって自性身受用身変化身三身を説いている〔巻第13、釈智差別勝相之初〕。そのなか、第二受用身について、⑴法身をよりどころとし、⑵浄土を受用し、⑶大乗の法楽を受用するという3点を指摘して、

自性身に依止して、福徳智慧の二行を起こす。二行所得の果とはいわく、浄土の清浄とおよび大法楽なり。よく二果を受用するが故に受用身と名づく。〔T31, 249c〕

と言い、さらに浄土は無量の衆宝土であり、多く菩薩が集まって大乗の法楽を受用し、また他のために大乗の法を説いて法楽を得せしめると説いているから、十八円浄説に示される浄土は、まさしく受用身の土であることが知られる。