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− | 釈尊を始め仏弟子たちも、衣食住のすべてにおいて少欲知足を旨とする修行形態を、バラモン教で定める遊行期のそれにならった。いわゆる[[ずだぎょう|頭陀行]] | + | 釈尊を始め仏弟子たちも、衣食住のすべてにおいて少欲知足を旨とする修行形態を、バラモン教で定める遊行期のそれにならった。いわゆる[[ずだぎょう|頭陀行]]である。 |
+ | *常乞食‥‥‥必ず托鉢によって得た食物を摂ること | ||
+ | *次第乞食‥‥貧富の別なく順次に家を訪ねて托鉢すること | ||
+ | の二つを守ることが「乞食」の意味である。 | ||
− | + | 乞食が転じて、食のみ乞うて道心のない者を「乞食」(こじき)と俗にいうが、本来、出家修行者を[[びく|比丘]]・[[びくに|比丘尼]]といい、その語義「食を乞う者」に由来する。 |
2006年2月22日 (水) 11:22時点における最新版
乞食
piNDa-paata पिण्डपात (skt.)
古代インドの婆羅門の人びとは、人生を学生期・家長期・林住期・遊行(ゆぎょう)期(遍歴期)の四住期に分けて送った。遊行期は遍歴して食物を乞い、ひたすら解脱を求める生活である。
釈尊を始め仏弟子たちも、衣食住のすべてにおいて少欲知足を旨とする修行形態を、バラモン教で定める遊行期のそれにならった。いわゆる頭陀行である。
- 常乞食‥‥‥必ず托鉢によって得た食物を摂ること
- 次第乞食‥‥貧富の別なく順次に家を訪ねて托鉢すること
の二つを守ることが「乞食」の意味である。
乞食が転じて、食のみ乞うて道心のない者を「乞食」(こじき)と俗にいうが、本来、出家修行者を比丘・比丘尼といい、その語義「食を乞う者」に由来する。