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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

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 四つの粗大な実在、の意で、「四大種」ともいい、物質を作り上げる地・水・火・風の4元素のこと。それぞれの本質と作用として、「地」には固さと保持、「水」には湿潤と収集、「火」には熱さと熟成、「風」には動きと生長が充(あ)てられる。[[せついっさいうぶ|説一切有部]]の教学では、いずれも[[じゅうにしょ|十二処]]のうちの触処(そくしょ)に含まれる。人の身体もこの四大から成り、病気はそれらの調和が崩れたときに起るとみなされるので、病気の状態のことを'''四大不調'''という。
 
 四つの粗大な実在、の意で、「四大種」ともいい、物質を作り上げる地・水・火・風の4元素のこと。それぞれの本質と作用として、「地」には固さと保持、「水」には湿潤と収集、「火」には熱さと熟成、「風」には動きと生長が充(あ)てられる。[[せついっさいうぶ|説一切有部]]の教学では、いずれも[[じゅうにしょ|十二処]]のうちの触処(そくしょ)に含まれる。人の身体もこの四大から成り、病気はそれらの調和が崩れたときに起るとみなされるので、病気の状態のことを'''四大不調'''という。
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=支提=
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サンスクリット語「caitya」に相当する音写。「[[せいた|制多]]」とも音写し、[[しゃくじゅ|積聚]]を意味する。
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 本来は精霊が宿る精樹の信仰に関連し、霊廟の名称であった。『[[まかそうぎりつ|摩訶僧祇律]]』は[[しゃり|舎利]]を収めているのを「塔」と名づけ、舎利のないものを「枝提」(=支提)と呼んでいるが、外形が類似しているので両者の区別は一定でない。特に南インドやスリランカでは塔をcaityaまたはcetiyaと名づけた。
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 後世にstuupa(塔)が信仰の対象として支提中に導入された時、これをcaitya-gRha(支提堂・[[しどう|祠堂]])またはcaityaguhaa(支提窟)と呼んでいる。

2016年10月10日 (月) 08:52時点における最新版

四大

「大」はサンスクリット語「mahaa-bhuuta」の訳。

 四つの粗大な実在、の意で、「四大種」ともいい、物質を作り上げる地・水・火・風の4元素のこと。それぞれの本質と作用として、「地」には固さと保持、「水」には湿潤と収集、「火」には熱さと熟成、「風」には動きと生長が充(あ)てられる。説一切有部の教学では、いずれも十二処のうちの触処(そくしょ)に含まれる。人の身体もこの四大から成り、病気はそれらの調和が崩れたときに起るとみなされるので、病気の状態のことを四大不調という。


支提

サンスクリット語「caitya」に相当する音写。「制多」とも音写し、積聚を意味する。

 本来は精霊が宿る精樹の信仰に関連し、霊廟の名称であった。『摩訶僧祇律』は舎利を収めているのを「塔」と名づけ、舎利のないものを「枝提」(=支提)と呼んでいるが、外形が類似しているので両者の区別は一定でない。特に南インドやスリランカでは塔をcaityaまたはcetiyaと名づけた。

 後世にstuupa(塔)が信仰の対象として支提中に導入された時、これをcaitya-gRha(支提堂・祠堂)またはcaityaguhaa(支提窟)と呼んでいる。