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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

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 サンスクリット語を音写して「[[しゅだおん|須陀&#x6d39;]]」ともいう。[[むろ|無漏]](むろ)の聖者の流れに入った者であり、[[しこうしか|四向四果]]の最初の段階。原始仏教では、有身見(うしんけん)、戒禁取見(かいごんじゅけん)、疑の三結を断じた者が得る位であった。後、『[[くしゃろん|倶舎論]]』では、見道において見惑の八十八随眠(ずいめん)煩悩を断った者が得るとしている。<br>
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 サンスクリット語を音写して「[[しゅだおん|須陀&#x6d39;]]」ともいう。[[むろ|無漏]](むろ)の聖者の流れに入った者であり、[[しこうしか|四向四果]]の最初の段階。原始仏教では、[[うしんけん|有身見]]、[[かいごんじゅけん|戒禁取見]]、[[ぎ|疑]]の三結を断じた者が得る位であった。後、『[[くしゃろん|倶舎論]]』では、見道において見惑の八十八[[ずいめん|随眠]]煩悩を断った者が得るとしている。<br>
 
 この位に達すると退転することなく、最大でも7回人間界と天界を往来するだけで悟りに達する。
 
 この位に達すると退転することなく、最大でも7回人間界と天界を往来するだけで悟りに達する。
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 小乗の聖者の4段階(預流・一来・不還・阿羅漢)の第1段階。聖者の流れ・類に初めて入ったもの。これら4段階は、おのおのそこに至る途中と至り終えた段階とに分かれ、前者を向、後者を果という。<br>
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 預流についていえば、見道十六心のなかの前の15心が預流向(預流果向)であり、第16心が'''預流果'''である。
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: 諸無漏道、総名為流。由此為因、趣涅槃故。預言、為顕最初至得。彼預流故、説名預流。〔『倶舎』23、T29-123a~b〕
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: 預者言入、流謂流類。入聖之類故、名預流。〔『述記』1本、T43-240a〕

2018年8月9日 (木) 15:13時点における最新版

預流

srota-āpanna स्रोत आपन्न(S)

 サンスクリット語を音写して「須陀洹」ともいう。無漏(むろ)の聖者の流れに入った者であり、四向四果の最初の段階。原始仏教では、有身見戒禁取見の三結を断じた者が得る位であった。後、『倶舎論』では、見道において見惑の八十八随眠煩悩を断った者が得るとしている。
 この位に達すると退転することなく、最大でも7回人間界と天界を往来するだけで悟りに達する。

 小乗の聖者の4段階(預流・一来・不還・阿羅漢)の第1段階。聖者の流れ・類に初めて入ったもの。これら4段階は、おのおのそこに至る途中と至り終えた段階とに分かれ、前者を向、後者を果という。
 預流についていえば、見道十六心のなかの前の15心が預流向(預流果向)であり、第16心が預流果である。

 諸無漏道、総名為流。由此為因、趣涅槃故。預言、為顕最初至得。彼預流故、説名預流。〔『倶舎』23、T29-123a~b〕
 預者言入、流謂流類。入聖之類故、名預流。〔『述記』1本、T43-240a〕