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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

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=浄土論=
 
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インド浄土教の論書。正しくは『無量寿経優婆提舎願生偈』(むりょうじゅきょう うばだいしゃ がんしょうげ)。『無量寿経論』『往生論』ともいう。(大正蔵 vol.26 p.230)
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 インド浄土教の論書。正しくは『無量寿経優婆提舎願生偈』(むりょうじゅきょう うばだいしゃ がんしょうげ)。『無量寿経論』『往生論』ともいう。(大正蔵 vol.26 p.230)
  
バスバンドゥ(Vasubandu、[[せしん|世親]]または'''天親''')の著作とされる。<br>
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 バスバンドゥ(Vasubandu、[[せしん|世親]]または'''天親''')の著作とされる。<br>
サンスクリット語原典は現存せず、[[ぼだいるし|菩提流支]]の漢訳のみ現存。[[げ|偈]]頌(韻文)とそれを解説した長行(じようごう、散文)の部分からなり、特に後者においては、浄土往生の方法として[[ごねんもん|五念門]]を説いている。<br>
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 サンスクリット語原典は現存せず、[[ぼだいるし|菩提流支]]の漢訳のみ現存。[[げ|偈]]頌(韻文)とそれを解説した長行(じようごう、散文)の部分からなり、特に後者においては、浄土往生の方法として[[ごねんもん|五念門]]を説いている。<br>
'''五念門'''とは、礼拝、讃嘆、作願、観察(かんざつ)、回向の五つである。なかでも浄土を観想する観察が中心で、17種の国土荘厳、8種の仏荘厳、4種の菩薩荘厳よりなる。<br>
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 '''五念門'''とは、礼拝、讃嘆、作願、観察(かんざつ)、回向の五つである。なかでも浄土を観想する観察が中心で、17種の国土荘厳、8種の仏荘厳、4種の菩薩荘厳よりなる。<br>
中国において、[[どんらん|曇鸞]]が『[[じょうどろんちゅう|浄土論註]]』(『往生論註』とも呼ぶ)を書いてその思想を展開し、日本では[[ほうねん|法然]]が[[じょうどさんぶきょう|浄土三部経]]と並べて「三経一論」と重んじた。
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 中国において、[[どんらん|曇鸞]]が『[[じょうどろんちゅう|浄土論註]]』(『往生論註』とも呼ぶ)を書いてその思想を展開し、日本では[[ほうねん|法然]]が[[じょうどさんぶきょう|浄土三部経]]と並べて「三経一論」と重んじた。

2017年5月9日 (火) 05:07時点における版

浄土論

 インド浄土教の論書。正しくは『無量寿経優婆提舎願生偈』(むりょうじゅきょう うばだいしゃ がんしょうげ)。『無量寿経論』『往生論』ともいう。(大正蔵 vol.26 p.230)

 バスバンドゥ(Vasubandu、世親または天親)の著作とされる。
 サンスクリット語原典は現存せず、菩提流支の漢訳のみ現存。頌(韻文)とそれを解説した長行(じようごう、散文)の部分からなり、特に後者においては、浄土往生の方法として五念門を説いている。
 五念門とは、礼拝、讃嘆、作願、観察(かんざつ)、回向の五つである。なかでも浄土を観想する観察が中心で、17種の国土荘厳、8種の仏荘厳、4種の菩薩荘厳よりなる。
 中国において、曇鸞が『浄土論註』(『往生論註』とも呼ぶ)を書いてその思想を展開し、日本では法然浄土三部経と並べて「三経一論」と重んじた。