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2018年7月19日 (木) 09:32時点における版
異熟
旧訳の「果報」
過去の善悪によって得た果報の総名。果が因の性質とは異なって成熟することを言う。
善業によって楽果を感じ、悪業によって苦果を感じるように、楽果は善性ではなく無記性である。これによって、善性と無記性とは類を異にしているので、善性の業に対して異類と言うべきである。苦果を悪業に対する場合も、苦果は悪性ではなく無記性であるから、因と果との性質を異にしている。これによって異熟果と言う。
また、因と果とが必ず時間を隔て、異時に於いて熟するから、異熟と言う。
- 異類しこうして熟す。是れ異熟の義なり。 〔倶舎論 6〕
- 異熟というは、あるいは異時に熟す。あるいは変異して熟す。あるいは異類として熟す。 〔成唯識論述記 2末〕
異熟因
六因の一つで、善悪の二業をいう。
異熟果
五果の一つで、六因の内の異熟因からの二報をいう。
異熟生
大乗では、異熟と異熟生を別け、阿頼耶識を異熟とし、眼耳鼻舌身意の六識を異熟生とする。これは、六識の異熟は、阿頼耶識の種子‥‥すなわち異熟‥‥より生ずる義があるからである。
異熟識
阿頼耶識の異名。
異熟障
自然の果報として仏法を修行することができない境界をいう。