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存在を無辺なこころ([[しき|識]])のみであると想う境地をいう。識処と略称。無辺識処ともいう。〔『婆沙』84、T27-433a~b〕 | 存在を無辺なこころ([[しき|識]])のみであると想う境地をいう。識処と略称。無辺識処ともいう。〔『婆沙』84、T27-433a~b〕 | ||
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+ | :1114. "Viññāņaṭṭhitiyo sabbā Posālā ti Bhagavā abhijānaṃ Tathāgato. tiṭṭhantam enaṃ jānāti vimuttaṃ tapparāyanaṃ. | ||
+ | :1115. Ākiñcaññāsambhavaṃ ñatvā 'nandī saṃyojanaṃ' iti evam evaṃ abhiññāya tato tattha vipassati, etaṃ ñānaṃ tathaṃ tassa brāhmanassa vusīmato" ti. | ||
+ | :1114. すべての〈識別作用の住するありさま〉を知り尽くした全き人〈如来〉は、かれの存在するありさまを知っている。すなわち、かれは解脱していて、そこをよりどころとしている、と知る。 | ||
+ | :1115. 無所有の成立するもとを知って、すなわち「歓喜は束縛である」ということを知って、それをこのとおりであると知って、それから(出て)それについてしずかに観ずる。安立したそのバラモンには、この〈ありのままに知る智〉が存する。〔スッタニパータⅣ〕 |
2024年8月5日 (月) 15:23時点における最新版
識無辺処
vijñāna-anantya-āyatana (S)
三界のなかの無色界(物質的なものがない世界)を構成する4つの処(空無辺処・識無辺処・無所有処・非想非非想処)の1つ。
存在を無辺なこころ(識)のみであると想う境地をいう。識処と略称。無辺識処ともいう。〔『婆沙』84、T27-433a~b〕
- 1114. "Viññāņaṭṭhitiyo sabbā Posālā ti Bhagavā abhijānaṃ Tathāgato. tiṭṭhantam enaṃ jānāti vimuttaṃ tapparāyanaṃ.
- 1115. Ākiñcaññāsambhavaṃ ñatvā 'nandī saṃyojanaṃ' iti evam evaṃ abhiññāya tato tattha vipassati, etaṃ ñānaṃ tathaṃ tassa brāhmanassa vusīmato" ti.
- 1114. すべての〈識別作用の住するありさま〉を知り尽くした全き人〈如来〉は、かれの存在するありさまを知っている。すなわち、かれは解脱していて、そこをよりどころとしている、と知る。
- 1115. 無所有の成立するもとを知って、すなわち「歓喜は束縛である」ということを知って、それをこのとおりであると知って、それから(出て)それについてしずかに観ずる。安立したそのバラモンには、この〈ありのままに知る智〉が存する。〔スッタニパータⅣ〕