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このなか五根とは5つの感官(眼・耳・鼻・舌・身)、五境とは5つの感官の対象(色・声・香・味・触)、無表色とは表層の行為([[ひょうごう|表業]])によって深層に植え付けられ、表層に表れてこないもの、法処所摂色とは意識の対象となる特別の「もの」、をそれぞれいう。<br> | このなか五根とは5つの感官(眼・耳・鼻・舌・身)、五境とは5つの感官の対象(色・声・香・味・触)、無表色とは表層の行為([[ひょうごう|表業]])によって深層に植え付けられ、表層に表れてこないもの、法処所摂色とは意識の対象となる特別の「もの」、をそれぞれいう。<br> | ||
また大きく(1)四大種(地・水・火・風の4つの元素)と(2)四大種所造(四元素より造られたもの)とに2分類される。 | また大きく(1)四大種(地・水・火・風の4つの元素)と(2)四大種所造(四元素より造られたもの)とに2分類される。 | ||
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: 色調何相。変現相是色相。此有二種。一触対変壊、二方所示現。〔『集論』1,T31-663a〕 | : 色調何相。変現相是色相。此有二種。一触対変壊、二方所示現。〔『集論』1,T31-663a〕 | ||
: 云何建立色謹。謂、諸所有色、若四大種及四大種所造。云何四大種。謂、地界・水界・火界・風界。(中略)云何所造色。謂、眼根・耳根・鼻根・舌根・身根、色・声・香・味・所触一分、及法処所摂色。〔『集論』1、T31-663b〕 | : 云何建立色謹。謂、諸所有色、若四大種及四大種所造。云何四大種。謂、地界・水界・火界・風界。(中略)云何所造色。謂、眼根・耳根・鼻根・舌根・身根、色・声・香・味・所触一分、及法処所摂色。〔『集論』1、T31-663b〕 | ||
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+ | 現象的存在(有為)を構成する5つの要素のグループ(五薀)の一つ。<br> | ||
+ | 識の集まり。識の種類としては原始仏教以来、眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識の6つの識が説かれるが、〈唯識〉はこれに[[まなしき|末那識]]と[[あらやしき|阿頼耶識]]を加えて8つの識([[はっしき|八識]])を説く。 | ||
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+ | : 各各了別彼彼境界、総取境相故、名識蘊。此復差別有六識身。謂、眼識身至意識身。〔『倶舎』1,T29-4a〕 |
2018年8月18日 (土) 20:50時点における最新版
色蘊
rūpa-skandha (S)
現象的存在(有為)を構成する5つの要素のグループ(五蘊)の一つで、物質的存在(色)のグループをいう。色は、(1) 五根と(2)五境と(3)無表色(〈唯識〉では法処所摂色)とに分けられる。
このなか五根とは5つの感官(眼・耳・鼻・舌・身)、五境とは5つの感官の対象(色・声・香・味・触)、無表色とは表層の行為(表業)によって深層に植え付けられ、表層に表れてこないもの、法処所摂色とは意識の対象となる特別の「もの」、をそれぞれいう。
また大きく(1)四大種(地・水・火・風の4つの元素)と(2)四大種所造(四元素より造られたもの)とに2分類される。
- 色調何相。変現相是色相。此有二種。一触対変壊、二方所示現。〔『集論』1,T31-663a〕
- 云何建立色謹。謂、諸所有色、若四大種及四大種所造。云何四大種。謂、地界・水界・火界・風界。(中略)云何所造色。謂、眼根・耳根・鼻根・舌根・身根、色・声・香・味・所触一分、及法処所摂色。〔『集論』1、T31-663b〕
識蘊
vijñāna-skandha (S)
現象的存在(有為)を構成する5つの要素のグループ(五薀)の一つ。
識の集まり。識の種類としては原始仏教以来、眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識の6つの識が説かれるが、〈唯識〉はこれに末那識と阿頼耶識を加えて8つの識(八識)を説く。
- 各各了別彼彼境界、総取境相故、名識蘊。此復差別有六識身。謂、眼識身至意識身。〔『倶舎』1,T29-4a〕