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さんごう

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

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三業

 一切の業(ごう)(karman 行為)を、3種に類別したもの。

 「身業」(kāya-karman 身体的行為)、「口業」(vāk-karman 言語表現)、「意業」(manas-karman 心意作用)の3種の行為をさす〔倶舎論13(など)〕。ただし、類別の基準により「善業」「悪業」「無記業」をさす場合〔倶舎論(17)〕、「福業」「非福業」「不動業」をさす場合〔倶舎論(15)〕等々、多義がある。

 人間三業の過(とが)は、冥路に苦聚多し  〔十住心論(1)〕
 如説而修行といふは、身・口・意の三業を懺悔するなり  〔法華百座(3.12)〕
 三業を静めてこの経を読誦候ふべし  〔太平記 20〕

三網

 寺内の諸事務や僧尼を統理する三種の役僧をいう。
 インドでは、造寺者である寺主(毘訶羅莎弭ヴィハ-ラ・スヴァーミンvihāra-svāmin)・番直などに任ずる護寺(毘訶羅波羅ヴィハーラ・パーラvihāra-pāla)・食事などを監督する授事(羯磨陀那カルマ・ダーナkarma-dāna 維那)の3役があったようでその制が中国に伝わり、寺院に上座・寺主・悦衆(都維那および典座をいう)、または上座・知事・法師、或いは上座・寺主・都維那などの三綱が置かれた。
 日本では孝徳天皇(645-54在位)の頃ないし天武天皇(673-86在位)の頃から設置され、やがて各寺に上座(衆徒の上に座し法事以下のことを掌る)・寺主(経済的事務を掌る)・都維那(説衆の意。法義を説き衆僧を監督して諸事を掌る)の三綱が置かれるようになった。任期は4年で、その任命は各寺の五師大衆の推挙により別当・三綱が連署し僧綱所を経て政府に申請した。当初はその寺の統治者であったが、のち別当・座主・長者などが設けられるとその下に属する執務者となり、権上座・権寺主のような権官もできた。成功〈じょうごう〉によって任じられ、或いは重任し、諸国の講師・読師にも転出した。また各寺に特例があり、興福寺では特に氏人の簡定により任じ、東寺・西寺では定額僧を任じ、四天王寺・梵釈寺・仁和寺などでは各10僧の内から任じた。亀山天皇(1259-74在位)の時、諸寺の三綱は地下四位諸大夫に準ずることとなった。已講内供阿闍梨の3官を有職と称し、特に有職正三綱(正の三綱)とよぶ事もあるので、この時は上座以下の三綱を有職権三綱(権の三綱)とも称した。
 なお、奈良時代以来、三綱の上に鎮(寺鎮)を錘いて寺を統率することもあったが、平安中期以後廃された。

山号

 寺院を修飾する語のひとつ。「○○山」という山の名を付けて、その寺院のポリシーを示すもの。

 おそらく寺院が元来山中に建てられたことから、山の名を付けたものだと考えられる。一般には、仏教に何らかの縁のある名前をつけており、実在の山の名を付けることは少ない。