mahaavastu (skt.)「大事(だいじ)」と漢訳されるが、漢訳本はなく、仏教サンスクリット語で書かれている。
大衆部のうちの説出世部に伝わった釈尊の伝記。仏伝としては古い成立である。説出世部の律蔵から抄出されたものと考えられている。
内容は、釈尊の遠い過去の生涯に、燃灯仏から将来仏となる約束をうけたことに始まり、近い過去としては、兜率天に生まれ、そこからマーヤー夫人(摩耶夫人)の胎内に托胎し、誕生・出家・成道・布教などが述べられ、その中に教理が述べられている。