ぎょう
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
行 (ぎょう、gamana、carita、caryaa、pratipatti、bhaavanaa、anuyoga、saMskaara、saMskRta)
サンスクリット原語および漢訳術語の数が多いので、主なものを挙げている。
gamana गमन
行住坐臥の四威儀のうちの「行」(gamana)は歩くことである。
carita चरित
菩薩の行願(修行と誓願)、行証(修行とその結果である証悟)、加行(けぎよう、準備的修行)、信行(信心と修行)、大行大信(名号の働きとしての称名と信心)、解行(理解と修行)、行学(実践と学問)などの「行」は実践(carita、caryaa、pratipatti)であり、繰り返し身につけるという意味の修行(bhaavanaa、anuyoga)をいう。
仏道修行のことを「行道」という。この語は、仏を右廻りに3度めぐって散華・読経する儀式にも使う。三種行儀(尋常・別時・臨終)のような念仏行事の儀式を「行儀」という。
karman कर्मन्
「行」は行為・行動であるから業(karman)と同義に使われ、身口意の行いを「行業」という。
saMskaara सँस्कार
さらに、仏教教理の固有の術語として使われる「行」の原語に、saMskaara(形成力、形成されているもの)あるいはsaMskaata(形成されたもの、有為)があり、本来、造作(つくること)と遷流(移り変ること)の2義があるという。
諸行無常
三法印の一つ諸行無常の「諸行」はこの語の複数形で、現象世界の生滅変化している全存在をいう。
その他
われわれの身心を構成する五つの要素である五蘊(色受想行識)の「行」と、十二因縁(十二縁起)の第二支の「行」は、いずれも意識を生ずる意志作用である。