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きべつ

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

2004年3月28日 (日) 05:29時点におけるマイコン坊主 (トーク | 投稿記録)による版

記別

きべつ、(skt) vyaakaraNa व्याकरण
「分別経(ふんべつきょう)」「記」「記説」などと訳される。
サンスクリット語のvyaakaraNaは、「分ける」という意味の動詞「vyaakaroti」から派生し、分別・説明・解答を意味している。また言語を分析するところから「文法」という意味ももっている。これから転じて「未来を予言する」という意味が生じ、後世になって如来から記別を受けるという予言を説く「授記作仏」(じゅきさぶつ)思想が発達する。

記別の語は十二部経のうちの一つである。
伝統的な解釈として瑜伽師地論 巻25、顕揚論 巻6、阿毘達磨集論 (巻6)、雑集論 (巻11)などでは、に対して、より詳説分別広説し、未了義の経を説明解釈するものであるとしている。しかしこれでは十二部経の「論議」(優婆提舎)と区別できない。
真の意味は婆沙論 (巻126)、成実論 (巻1)、順正理論 (巻44)に説かれているとおり「問答体」である。記別には本来、問い(prazna)に対する解答の意味がある。阿含経 の中には、長部 の21経・28経、中部 の49経などのように、問答体の経が「記別」と呼ばれている。