解深密経
saMdhi-nirmocana-suutra
唯識派の所依の経典の一つで、「唯識」思想を初めて説いたといわれる経典である。A.D.300年前後の成立とされる。
内容は、
1)仏教の歴史を有・空・中の三時に分けて、唯識は第三時の中道に相当すると説き、
2)六識の奥に深層心理を考察する立場から阿頼耶識の存在を、
3)存在を三つの形態に分ける三自性・三無自性説を、
4)一切はただ心の現れにすぎないという「唯識」の考えを
初めて宣揚した。
- 解深密経 5巻 唐・玄奘訳 大正大蔵経 No.676 第16巻 p.711