大円鏡智
ādarśa-jñāna (S)、仏の持つ四智の一つ。
大きな円い鏡に一切がありのままに映し出されるように、すべてを明らかにする曇り一つない清浄な仏智のこと。唯識で第8阿頼耶識を転じて得られる無漏の清浄智をいう。
密教ではこの智を五智のうちでも金剛部(こんごうぶ)東方・阿閦如来(あしゅくによらい)の成ずる智と特定するが、これら五智すべてが大日如来の円満なる智体を構成する点では、究極的には大日如来に属するものである、とする。
- 鏡といふは、衆生本有の大円鏡智の鏡、諸仏已証の名号なり 〔一遍語録〕