さんみょう
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
三明
tisro vidyāḥ (S)
明(vidyā) とは明らかにさとる智慧のこと。次の3つをいう。
- 宿住随念智証明 過去世の存在のありようをしる智慧。
- 死生智証明 未来世の生死のありようをしる智慧。
- 漏尽智証明 現在世において煩悩を断じ尽くしたとしる智慧。
(1)は六神通のなかの宿命通、(2)は天眼通、(3)は漏尽通に、それぞれ相応する。
また(1)は常見(自己すなわち我は滅することなく常に存在しつづけるという見解)を断じ、(2)は断見(自己は死後には断滅してしまうという見解)を断じ、(3)は邪見(現在世の涅槃をまちがってとらえる見解)を断じる働きがある。
- 有三明、一宿住随念智証明、二死生智証明、三漏尽智証明。〔『婆沙』102、T27-529c〕
(cf.)『瑜伽』14、T30-350a