看経
キンは唐音
1. 経文を黙読すること。反対語は諷経。
『臨済録』に用例がみられ、道元の『正法眼蔵』に看経の章があって黙読の意に用いられ、看経のための堂宇を看経堂、看経に対する布施の金銭を看経銭とよんでいる。
道元と同時期に成立した『明恵上人伝記』などでは、
- 僧俗群集して,あるいは看経し,あるいは礼拝す。其の声を聞くに
のように看経を読経・誦経の意味で用いているところから、黙読すると規定しているのは禅宗だけかもしれない。
- 現在、仏祖の会に、看経の儀則それ多般あり 〔正法眼蔵(看経)〕
- 衣の破れたるに七条(の袈裟)をかけて看経ありしが、道行にやせて色黒み、そのさま衰へてあれども 〔伽草紙・三人法師〕
2. 後代には、経文を読むこと、読経、諷経、と同じように使われた。
3. 経典を研究のために読むこと。