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しゅえん

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

衆縁

 さまざまな縁。縁とは、(i)広くは、ものごとを生じる原因の総称。あるいは、(ii)原因を因と縁とに分けるときは、因は根本原因、縁は補助原因をいう。衆縁の縁は、使われる文脈に応じて(i)か(ii)かのいずれかを意味する。

 仏教は、さまざまな多くの縁(補助原因)が結合して働くところにものごとは具体的に生じるから、生じたものごとは無常であり苦であり無我である、と説く。
 <唯識>は、特に、三自性(遍計所執自性・依他起自性・円成実自性)のなかの依他起自性が生じるありようを説明するなかで衆縁を用いて、「依他起自性とは衆縁より生ずるところの自性を謂う」と説く。

 泥団・輪・縄・水などの衆縁和合して瓶などを成辮す。
 衆縁あるが故に生じ、生じ已って自然に滅す。
 衆縁所生の諸行は無常なり。
 一切のは皆な是れ無常、衆縁所生無我なり。
 依他起自性とは衆縁によって生じ、他の力によって起こるところの諸法の自性なり。