ほんぜつ
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
本質
影像に対する本質。影像がそれによって生じるもとの本体。たとえば鏡のなかに物体の鏡像(影像 pratibimba)が生じる場合、物体そのものを本質(bimba)という。
二の縁の故に諸の像が生ずることを得る。一には本質、二には鏡などなり
(S) bimba
唯識
「唯識」に説かれる本質。
本質とは、阿頼耶識(潜在的な根本識)が作り出し阿頼耶識みずからが対象として認識している存在の基体をいう。この本質を根拠・よりどころとして、顕在的な識である眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識の六識おのおののなかに、さまざまな事物の影像を生じる。
分別の影像の身を循く観察する門に由って本質の身を審に諦らかに観察す。 心心所が起こる時に、能縁の上に本質と同分の影像が顕現す。