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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

 
(舎利)
 
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=舎利=
 
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[[サンスクリット]]語zariira「設利羅(せつりら)」とも音写。
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[[サンスクリット]]語 <big>śarīra शरीर</big>「設利羅(せつりら)」とも音写。
  
 一般に、骨組・構成要素・身体を意味する。これが複数形でzariiraaNiとなると、遺骨(いこつ)、特に[[ぶつ|仏]]・聖者の「遺骨」の意味で用いられることがある。その意味での舎利を崇拝・[[くよう|供養]]することが、[[しゃりとう|舎利塔]]を建立するなどの形で、古来アジア諸国で広く行われているが、実際は、舎利を象徴する他のもので代用されることが普通である。
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 一般に、骨組・構成要素・身体を意味する。サンスクリットでは。身体と遺骨は同じシャリーラという語であらわされる。<br>
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 これが複数形で「śarīrāṇi शरीराणि」となると、遺骨(いこつ)、特に[[ぶつ|仏]]・聖者の「遺骨」の意味で用いられることがある。その意味での舎利を崇拝・[[くよう|供養]]することが、[[しゃりとう|舎利塔]]を建立するなどの形で、古来アジア諸国で広く行われているが、実際は、舎利を象徴する他のもので代用されることが普通である。
  
 
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=仏舎利=
 
=仏舎利=
[[パーリ]]語 bhagavato sariira([[せそん|世尊]]の遺体・遺骨)。「舎利」は音写語。
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[[パーリ]]語 <big>bhagavato śarīra भगवतो शरीर</big>([[せそん|世尊]]の遺体・遺骨)。「舎利」は音写語。
  
 [[しゃくそん|釈尊]]が[[クシナガラ]]でこの世を去ると、その遺体は[[かそう|火葬]]され、八つの部族が分けあった。彼等はそれぞれ自国に仏舎利を収めた[[とう|塔]]、「舎利塔」を建てて供養した。<br>
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 [[しゃくそん|釈尊]]が[[クシナガラ]]でこの世を去ると、その遺体は[[かそう|火葬]]され、8つの部族が分けあった。彼等はそれぞれ自国に仏舎利を収めた[[とう|塔]]、「舎利塔」を建てて供養した。<br>
 
 後に[[アショーカ]]王([[あいくおう|阿育王]])の時代になると、仏弟子などの遺骨・遺品などに対する崇拝も盛んとなり、「仏塔信仰」へと展開し、[[だいじょうぶっきょう|大乗仏教]]の興起に大きな役割を果たした。
 
 後に[[アショーカ]]王([[あいくおう|阿育王]])の時代になると、仏弟子などの遺骨・遺品などに対する崇拝も盛んとなり、「仏塔信仰」へと展開し、[[だいじょうぶっきょう|大乗仏教]]の興起に大きな役割を果たした。

2024年12月16日 (月) 10:23時点における最新版

舎利

サンスクリットśarīra शरीर「設利羅(せつりら)」とも音写。

 一般に、骨組・構成要素・身体を意味する。サンスクリットでは。身体と遺骨は同じシャリーラという語であらわされる。
 これが複数形で「śarīrāṇi शरीराणि」となると、遺骨(いこつ)、特に・聖者の「遺骨」の意味で用いられることがある。その意味での舎利を崇拝・供養することが、舎利塔を建立するなどの形で、古来アジア諸国で広く行われているが、実際は、舎利を象徴する他のもので代用されることが普通である。


仏舎利

パーリbhagavato śarīra भगवतो शरीर(世尊の遺体・遺骨)。「舎利」は音写語。

 釈尊クシナガラでこの世を去ると、その遺体は火葬され、8つの部族が分けあった。彼等はそれぞれ自国に仏舎利を収めた、「舎利塔」を建てて供養した。
 後にアショーカ王(阿育王)の時代になると、仏弟子などの遺骨・遺品などに対する崇拝も盛んとなり、「仏塔信仰」へと展開し、大乗仏教の興起に大きな役割を果たした。